タイトル

AHEADシリーズ終わりのクロニクル1〈上〉

著者

川上稔 

イラスト

さとやす(TENKY)

ページ数

判型:A6判    ページ数:392
出版 電撃
定価 本体670円 + 税33円
あらすじ 川上稔が放つ壮大な新シリーズ、遂に始動! 

かつて世界は、平行して存在する10個の概念世界と戦闘を繰り広げていた。その戦争に勝利し、全てが隠蔽されてから60年……。
高校生の佐山御言は祖父の死後、突然巨大企業IAIより呼び出しを受ける。
そして、この世界がマイナス概念の加速により滅びの方向へ進みつつあること。
それを防ぐには、各異世界の生き残り達と交渉し、10の概念の解放しなければならないことを伝えられる。
かくして、佐山は多くの遺恨を残した概念戦争の最後の闘いに巻き込まれていくが……。
川上稔の「AHEADシリーズ」遂にスタート! 

 

 

感想

評価:B

最初見たときは「なんだこの厚さは!」と思い表紙をみて絵が気に入り購入しました。
「都市シリーズ」は読んだ事無いのですが十分に楽しめました。

AHEADシリーズの記念すべき第一作目。
シリーズ全体としてのテーマは、
本気になれない間違っている悪役志望の主人公が、
自分の認めた正義と出会って、
正しくて、でも間違った結論を出しながら終わりへと向かうお話。
かなぁ。

内容はかなり好き嫌いが分かれそうな感じ。
完全なシリアスでもなく、かといってギャグが無いわけでもない。
でもまじめな部分を邪魔していたりせずにきちんとなっていると思う。
とにかく設定が膨大でたまに「ん?」と訳がわからなくなることもありました。
多少読みずらくとも読み進め、設定でわからない所がでたら読み返す。
その繰り返しでかなり読み終えるまで時間がかかりましたが、笑いのある部分では相当面白かったですし、
キャラクターの心理描写もかなり詳しく書かれているので一気に愛着がわきました。
でも1<上>という名の通り最後の方これから展開が進む!と言うところで、終わるので1<下>とセットで読んだ方がいいかもしれない。

キャラクターはかなり独特だが生き生きしている。
でも皆が皆程度の差はあれ「変人、または奇人な人たち」なので、ここでもかなり好き嫌いが分かれると思う。
私はブレンヒルトと使い魔の猫とのかけ合いなどが特に好きで、この二人?をみていると自然と顔がにやけてきてしまいます。
他にも佐山の先輩である千里と覚のコミュニケーションのとりかたがまた凄く、
カラー部分の絵で思いっきりキャラ特性が解るほどインパクトがあります。

設定であり根幹であろう「概念」
大城一夫のが文中「物理法則すら支配する力全ての理由の究極 それが概念だ!」
というように概念とはこれは”こういうものだから”で説明がすむ。
文中の説明は「この世界の物理法則光は発されると広がり、飛んで行く。そうではない光、そうならない光があるのでは」
これはこの世界の”そういうものだから”であり違う世界の”そういうものだから”は根本的に違うのでは?
そういう力が「概念」らしい。
まあ何でもありと考えておけば間違いじゃないと思う。

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